サウンドクリエイターとは、音の専門家として、様々なメディアやコンテンツにおける「音」を創造し、デザインする仕事です。音楽だけでなく、効果音、環境音、声など、聴覚に関わるあらゆる要素を制作・編集・調整し、ユーザー体験を豊かにする役割を担っています。
サウンドクリエイターの仕事内容は非常に多岐にわたりますが、主なものとしては以下のようなものが挙げられます。
年収は、平均450~500万円程度で、未経験だと300万円台からとされており、経験者で管理職クラスになると600~1,000万円ほどというケースもあります。
ゲーム制作には、様々な分野の職種がかかわってきます。その中の一つにサウンドクリエイターが存在します。
サウンドクリエイターは、ただ音の要素を作るのではなく、ゲーム全体の「サウンドデザイン」を行います。これは、ゲームの世界観やゲームシステムを深く理解し、どのような音が、いつ、どのように鳴ることで、最も効果的なゲーム体験を提供できるかを設計する作業です。
ここでは、自分の職種にあった目指したい学校を紹介します。自分の将来を明確に想像しながら見つけていきましょう。
基礎はDAWの操作です。テンポや拍子、ルーティング、バス処理、オートメーションを理解し、まずは主要なDAWを一つ決めて使い込みます。もう一つは互換確認用として基本操作だけ触れておくと移行が滑らかです。
音作りではシンセやサンプラーの基本波形とフィルターを理解し、レイヤーで厚みを作ります。ドラムはキック、スネア、ハイハットの帯域の役割を意識し、BGMとSEの周波数が重ならないように配置します。
収録は48kHz/24bitを基本にし、屋外ではウインドジャマーを使います。録った素材はノイズ除去やクリップ修復の処理を習慣化します。環境音や足音などの効果音は、用途ごとのテンプレを作って再利用できる形に整えます。
ミキシングはラウドネスを基準にします。PCやコンソールはおおむね−23 LUFS、携帯は−18 LUFSを目安にし、True Peakは−1 dBTP以内を守ります。BGMとボイスのヘッドルームを確保し、バスコンプは掛け過ぎないようにします。
ミドルウェアはWwiseやFMODでイベント、バス、RTPC、ステート、リバーブやオクルージョン、SoundBank出力を押さえます。UnityやUnrealでは再生、ミキサー、圧縮設定などの実装確認を行います。オリジナルの音源は非圧縮WAVで保管し、ゲーム側でVorbisやADPCMへ変換される想定で準備します。
著作権は自作または正規ライセンスの素材だけを使います。二次配布や商用可否などの条件を読み、利用範囲を記録します。判断に迷う場合は文化庁の情報やクリエイティブ・コモンズの原典で確認します。
学校を選ぶ基準は、収録ブースや5.1/7.1環境などの設備、講師の実務歴、インターンや企業連携の有無、職種名と社名まで分かる就職実績です。見学では学生の作例を実音量で聴かせてもらい、WwiseやFMODの授業、UnityやUnrealとの連携演習があるかを確かめます。
オンラインでは公式チュートリアルに日本語の講座を組み合わせ、学んだ内容を必ず作品に落とし込みます。演習課題はそのままポートフォリオに流用できる形で作ります。
構成は冒頭に1分の紹介動画を置き、その後にBGM、効果音、実装デモ、収録や編集事例の順で並べます。各作品には制作意図、担当範囲、使用機材、処理の工夫、改善点を短く添えます。
BGMは六十〜九十秒の曲を複数用意し、全曲ループ対応にします。効果音はUI、足音、環境ループ、武器やヒットなどをカテゴリ別にまとめ、命名規則を統一します。実装デモはWwiseのプロジェクト一式やUnityの操作デモを提示し、パラメータ操作の様子を分かる形で示します。
提出はWAV 48kHz/16bitが無難です。原盤は24bitで保持し、プレビュー用にMP3、動画はH.264を添えます。READMEに再生手順と環境を簡潔に記載し、バージョン管理の情報も残します。最終的には各社の募集要項の指定に合わせます。
最初の1〜2か月でDAWの基礎とWwise/FMODの入門、Unity/Unrealの音声の基本を学びます。続く二〜三か月でBGM3〜5曲、効果音パック、実装デモ、フィールド録音のセットを作ります。制作過程と完成動画は毎週公開し、検索しやすいタイトルやタグで発信します。
応募時は志望先の世界観に合わせて差し替え、要項どおりの形式で提出します。面接や実技では、仕様変更への対応例、ミキシングの判断根拠、実装で工夫した点をスライドで説明できるよう準備します。短期のチーム開発やゲームジャムの経験があると実務の流れを示しやすくなります。
最初の1か月はDAWの基礎操作に集中し、短いBGMとUI効果音を毎週作ります。2〜3か月目でジャンル違いのBGMを三曲、UIや環境、足音の効果音セットを作り、WwiseでイベントやRTPCを設定してUnityで再生します。
4〜6か月目は短編映像のリサウンドに取り組み、簡単な仕様書テンプレとGitHubの構成を整えます。7〜12か月目は小規模チームの開発に参加し、実装と修正のサイクルを経験します。志望企業ごとに推しのデモを一本用意し、提出前のチェックリストで最終確認します。
学習の情報源は、IGDA Japanの発信や各社の公式配信、CEDECの資料が参考になります。
日本工学院は収録やミキシングの設備が充実し、業界連携と就職支援が強みです。実習中心で、現場につながる演習を重ねやすい環境です。
東放学園音響専門学校は録音やPA、音響制作の実習環境が整い、業界ネットワークを活かした学びができます。ライブや映像系にも触れたい人に向いています。
HAL(東京・大阪・名古屋)はゲーム学科内でサウンド制作と実装を横断的に学べます。WwiseやFMODを含む実装演習があるかを見学時に確認すると安心です。
参照元:日本工学院 公式サイト(https://www.neec.ac.jp/department/creator/sound/)
参照元:東放学園音響専門学校 公式サイト(https://www.tohogakuen.ac.jp/audio/)
参照元:HAL 公式サイト(https://www.hal.ac.jp/)
東京工科大学メディア学部は、メディアと音を横断するカリキュラムで、制作と研究を両立できます。作品制作だけでなく評価や分析の視点も身につきます。
九州大学 芸術工学部 音響設計は、音文化、音響環境、音響情報を体系的に学べます。空間と音の関係を掘り下げたい人に向いています。
東京藝術大学 音楽環境創造は、作曲、録音、サウンドアートを横断して学べます。年度で内容が更新される場合があるため、最新のシラバスを確認してください。
参照元:東京工科大学 メディア学部 公式サイト(https://www.teu.ac.jp/gakubu/media/)
参照元:九州大学 芸術工学部 音響設計 公式サイト(https://www.design.kyushu-u.ac.jp/schools/ad/)
参照元:東京藝術大学 公式サイト(https://www.geidai.ac.jp/)
Wwiseは認定101/201の学習パスで基礎から実装まで学べます。FMODは公式チュートリアルでUnityやUnrealとの連携を一通り体験できます。
Unity LearnやUnrealの学習コンテンツでエンジン側のオーディオ機能を補完し、日本語の講座(UdemyやSchooなど)でDAWやミキシングの基礎を固めます。学んだ内容は週ごとに作品化し、ポートフォリオへ蓄積します。
サウンドクリエイターのやりがいは、自分が作った音が人々の感情を動かし、体験を豊かにする瞬間に立ち会えることに集約されます。
頭の中のイメージを音として具現化する創造的な喜びは大きく、手掛けたBGMや効果音が作品に命を吹き込み、観る人やプレイヤーの心に響くことで、大きな達成感と誇りを感じられます。
常に新しい音や表現方法を追求する仕事です。既存の音源だけでなく、日常生活の中のあらゆる音に興味を持ち、「この音はどうやってできているんだろう?」「どうすればこの音を表現できるだろう?」と探究する好奇心を持つことで多くの音源を生み出す武器になります。
また、ゲームや映像制作はチームで行うものです。ディレクターやプログラマー、アーティストなど、様々な職種の人と密に連携を取りながら作業を進めるため、自分の意図を明確に伝え、相手の意見を正確に理解するコミュニケーション能力が必要となります。意見の衝突があった際も、建設的に解決に導く協調性も大切です。
一つの音を作るにも、細かな調整や試行錯誤が繰り返されます。また、数多くの音源を管理し、膨大な量の楽曲や効果音を制作することもあります。そのため、長時間集中して作業に取り組む忍耐力と、細部までこだわり抜く集中力が必要です。
これらの資質を持つ人は、サウンドクリエイターとして活躍できる可能性が高いでしょう。
大好きなゲームにプロとしてどう関わっていきたいかによって、学ぶべきことも、環境も変わります。
ここでは、職種別におすすめの学校を紹介しています。

日本電子専門学校
年2回更新されるオリジナル教材で、現在のゲーム業界で使われている技術を学習。プロと同じ環境で開発を学び、未経験から即戦力のプログラマを目指せます。
授業では年間10作品以上のゲームを制作。1年次から手を動かして制作を経験し、スキル習得とともに就活時のポートフォリオも充実します。

HAL東京
スクウェア・エニックスの時田貴司氏など、企画のプロが直接指導するゼミを開講。
現場で活きるアイデアの引き出し方や企画書作成の能力が身につきます。
有名ゲーム会社と連携し、実際にゲーム制作をする実習あり。実在の企業との制作経験で、企画力を実践レベルまで鍛えます。

日本工学院専門学校
デッサンの授業で基礎画力をしっかりと養いつつ、CG技術だけでなく、ゲームエンジンの操作を学習し、ゲーム開発ツールとの連携を実践的に学べます。
ただのデザイン学習だけでなく、「CGクリエイター検定」資格の取得を支援。スキルを証明する民間資格で、就職にも有利です。