ゲームデバッガーになるには?と情報収集している高校生必見。具体的な仕事内容から必要なスキル、専門学校の特徴など、将来の進路選びに役立つ情報を分かりやすく解説します。
ゲームデバッガーの仕事は、まず「仕様書」と呼ばれる設計書を読み、ゲームがどう動くべきかを理解することから始まります。「このボタンでキャラがジャンプする」といった動作が書かれており、それを把握する力が必要です。
仕様を理解したら、ゲーム画面と照らし合わせ「正しく動いているか」「変な動きはないか」を確認します。キャラの動きや画面の切り替わりなどをチェックし、バグが起きそうな箇所をあらかじめ見つけておくことが大切です。
仕様をもとにゲームを実際に操作し、不具合を探すのがテストプレイです。通常の操作だけでなく「変な動作を試す」「想定外の流れで進める」など工夫しながら、目立たないバグも見逃さないようチェックします。
バグを見つけたら、どんな操作・場面で起きたかを記録します。これを「再現手順」と呼びます。わかりやすくまとめることで、開発側がバグを再現・修正しやすくなります。丁寧な記録がとても重要なポイントです。
見つけたバグは報告書にまとめ、開発チームに共有します。「どんなバグか」「どの操作で起きるか」「頻度はどれくらいか」を記載し、可能であればスクリーンショットなどの資料もあわせて提出。
ときにはデバッガー自身がバグの原因を探り、修正のヒントを伝えることもあります。修正後は再テストを行い、直っているかや新たな不具合がないかを確認。必要があれば再報告し、品質を高めていきます。
ゲーム業界は非常に多岐にわたる分野があり、その中でも「ゲームデバッガー」は、業界未経験の方が最初の一歩として挑戦しやすいポジションです。
ゲームデバッガーの仕事は、専門的なプログラミングスキルや高いクリエイティブ能力が必ずしも求められるわけではありません。基本的なPC操作ができ、ゲームに対する深い興味と好奇心、そして根気強く同じ操作を繰り返すことに抵抗がなければ、挑戦しやすい仕事です。実際、数多くの未経験者がこの職種からキャリアをスタートさせ、後にゲームプログラマーやプランナーへとキャリアアップしている事例もあります。
当メディアでは、「どのようにゲームと関わっていきたいか」に合わせて、東京にあるゲーム専門学校を職種別にわかりやすく紹介しています。就きたい職種によって、学ぶ内容や求められる環境は大きく異なります。まずは、自分が興味のある仕事や学びたいことを明確にし、自分に合った学校を見つけていきましょう。
ゲームデバッガーになるためにはまず、基礎的なPC操作やオフィスソフトのスキルを磨くこと、日頃から多種多様なゲームに触れ、ユーザーとしての視点を養うことが重要です。
そのうえで、専門学校や講座を通じて、ゲームの仕組みや仕様書の読み方、テストプレイの手法、さらにはバグ管理システムの操作方法など、現場で必要な専門知識を体系的に学ぶことが求められます。実際、未経験者であっても、専門学校での実践的なカリキュラムを通じて、現場で即戦力となるスキルを身につけることが可能です。
読解力と文章力は必須です。仕様書を要件に落とし込み、誰が読んでも同じ結果になる粒度で再現手順を書きます。
設計の基礎も押さえます。等価分割、境界値、状態遷移などの観点を用い、重大度と優先度の違いを明確にします。
ツール操作は実務直結です。JiraやRedmineでの起票と検索、ワークフローの進行、TestRailでのテストケース管理、Excelの基本操作を練習します。
環境理解も評価対象です。PC、スマホ、コンソールの違いを踏まえ、端末や周辺機器、通信条件を再現できるようにします。
各社の審査や提出要件があることを前提に、該当箇所をチェック項目へ落とし込みます。
学校では「仕様を読む、観点を出す、テストケースを書く、実施して起票し、回帰テストで締める」までを通しで演習します。見学時は、この一連の流れが授業に組み込まれているかを確認すると判断がしやすくなります。
独学はJSTQB Foundationのシラバスで用語と観点を整え、手元のゲームで小さく「観点→ケース→実施→起票」を回します。Redmineの評価環境やJiraのトライアルで実際に起票と検索を練習すると、現場移行が速くなります。
週の回し方の例です。月は仕様読解と観点出し、火はテストケース作成、水は実施と動画記録、木は起票と再現率の確認、金は回帰テスト、土は講座や勉強会、日はふりかえりとテンプレ修正。毎週アウトプットを残します。
実績一覧は、参加タイトル(公開可能範囲)、担当範囲、期間、テスト種別を一行ずつ簡潔に並べます。機密に触れる情報は加工し、匿名化します。
不具合報告のサンプルは、環境、再現手順、期待結果と実結果、発生率、添付を揃えたものを2〜3件用意します。テストケースの例は目的、前提、手順、期待結果を明記します。
再現動画やスクリーンショットは、タイムスタンプと操作説明を重ねて見やすくします。権利と機密の取り扱いは必ず記載します。
まず自習テーマを決めます。1タイトルにつき1機能を選び、表示、入力、通信、保存の観点で5〜10件のケースを作ります。1日1件は「環境、前提、手順、期待、実結果、発生率、添付」の型で起票まで仕上げます。
観察と記録は対照実験が軸です。発生条件と非発生条件を並べ、入力値やタイミングなどの変数を一つずつ動かして再現性を確かめます。誤報の原因は必ずメモし、テンプレに追記します。
週末はふりかえりに当て、抜けた観点を次週の観点リストへ移します。用語の統一(重大度、優先度、再現率など)はJSTQBの定義に合わせます。
ITやゲーム系の学科で、仕様の読み方とテスト工程をチーム制作の中で体験できる授業が用意されることがあります。オープンキャンパスでは、バグ管理ツールの演習と、テスト工程まで行う制作実習の有無を確認してください。
JSTQBで体系的に学び、IVECで実務寄りの評価に触れます。品質企業の公開講座を併用すると、現場での進め方を早めに掴めます。
登録制のテスト業務や短期案件で、現場の型を体験します。守秘義務と社内ルールを厳守し、成果物は機密に配慮した形で控えを残します。
実践的なカリキュラムを通してゲーム業界で即戦力となる人材を育成する専門学校です。
入学直後から少人数のチームで年間8本以上のゲームを制作し、プログラムや企画の基礎から応用まで徹底して習得できます。現役ゲームクリエイターが常駐する環境で、常に新しい技術を学べるほか、産学連携プロジェクトにより実際の商品開発にも携われるため、高い就職実績を誇る学校です。
ゲーム開発に必要な企画力やプログラミングスキルを基礎から身につけられる専門学校です。
Microsoft認定の公式カリキュラムを導入し、世界的なIT資格の取得も目指せるなど、ハイレベルな教育が特徴。また、ゲームプロジェクトを通じて専攻を超えたチーム制作を経験でき、コミュニケーション力や実践力が養われるため、卒業後は高い希望業界就職率を実現しています。
ゲームデバッガーのやりがいは、自分の手でゲームの質を高め、多くのユーザーに楽しんでもらえる作品作りに関われる点です。バグを見つけて修正までつなげる過程では、大きな達成感を得られます。経験を積むことで、開発の流れや技術への理解も深まり、プログラマーやプランナーなどへのキャリアアップも目指せます。
また、改善提案が採用される場面もあり、自分の意見が作品に反映される充実感も感じられるでしょう。
著名なゲームデバッガーと断定できる人物がいませんでした。
ゲームデバッガーに向いている人は、まず何よりも「ゲームが大好き」であることが大前提です。長時間にわたる単調な作業にも耐えうる根気強さと、細かい部分にも注意を払い論理的に物事を整理できる能力が求められます。仕様書の内容やバグの再現手順を分かりやすく文章化するコミュニケーション能力も重要です。
これらのスキルは、専門学校での学びを通して着実に身につけることができます。まずは気になる学校を詳しくチェックしてみてください。
大好きなゲームにプロとしてどう関わっていきたいかによって、学ぶべきことも、環境も変わります。
ここでは、職種別におすすめの学校を紹介しています。

日本電子専門学校
年2回更新されるオリジナル教材で、現在のゲーム業界で使われている技術を学習。プロと同じ環境で開発を学び、未経験から即戦力のプログラマを目指せます。
授業では年間10作品以上のゲームを制作。1年次から手を動かして制作を経験し、スキル習得とともに就活時のポートフォリオも充実します。

HAL東京
スクウェア・エニックスの時田貴司氏など、企画のプロが直接指導するゼミを開講。
現場で活きるアイデアの引き出し方や企画書作成の能力が身につきます。
有名ゲーム会社と連携し、実際にゲーム制作をする実習あり。実在の企業との制作経験で、企画力を実践レベルまで鍛えます。

日本工学院専門学校
デッサンの授業で基礎画力をしっかりと養いつつ、CG技術だけでなく、ゲームエンジンの操作を学習し、ゲーム開発ツールとの連携を実践的に学べます。
ただのデザイン学習だけでなく、「CGクリエイター検定」資格の取得を支援。スキルを証明する民間資格で、就職にも有利です。