東京には数多くのゲーム専門学校が存在し、近年ではゲーム開発だけでなく、eスポーツやXR(VR/AR)、AIを扱う学科を設置する学校も増えています。「実際に卒業までにどれくらいのお金がかかるのか」を知っておくことは、進学を考えるうえで非常に重要なポイントです。
東京のゲーム専門学校では、2年制・3年制・4年制と学科の期間に応じて学費が異なります。一般的に1年間あたりの学費は120万円〜150万円が相場(※)です。これをベースに考えると、卒業までに必要な合計学費は次の通りです。
上記は卒業までに授業料や入学金、設備費、教材費などを合算した平均的な費用です。
その他にも、高性能PCの購入費やソフトウェアライセンス料、通学・学外研修の交通費など自分で負担する費用まで含めて余裕を持って見積もる必要があります。
初年度は、学費の中でも最も負担が大きくなるタイミングです。入学金など、初年度のみ必要となる項目が多く含まれるためです。
ゲーム専門学校の初年度学費の平均は130万円〜150万円程度(※)となっています。主な内訳は次のとおりです。
| 費目 | 平均費用(目安) |
|---|---|
| 入学金 | 19.3万円 |
| 授業料 | 63.6万円 |
| 実習費 | 15.6万円 |
| 設備費 | 37.0万円 |
| その他 | 0.9万円 |
また、校外実習費や研修旅行費、資格試験対策費などが別途必要になる学校もあります。納入形式は「前期・後期の分納」が大半です。入学金のみ別期日で先に納付が求められることもあります。
2年目以降は初年度と異なり入学金が不要となるため、全体的に見ると負担はやや軽くなります。
また、学校によっては「設備費」「実習費」を別に設定していることもあり、設備費はパソコンやソフトウェア、実習室の維持管理費、実習費は作品制作や開発にかかる材料費が中心です。ほかにも教材費や校外実習費などが加わる場合があります。
2年次・3年次になると、より実践的なプロジェクトや外部連携型の制作活動が増えるため、教材費や作品制作に関する追加費用がかかることも。企業説明会やインターンシップへの参加費用など、就職活動関連の出費も見込んでおくと安心です。
専門学校で利用できる奨学金制度には、日本学生支援機構(JASSO)の無利子「第一種」と有利子「第二種」があり、多くの学校が対象となります。
また、地方自治体でも給付型や貸与型の奨学金を用意しており、一般的に利息が低めです。新聞配達を行う代わりに学費が免除される「新聞奨学生制度」では、卒業後に借金が残らない点が大きな魅力です。
教育資金の支援として、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は一定の収入制限がありますが、低金利かつ固定型返済で利用できます。
民間の教育ローン(オリエントコーポレーションやジャックスなど)は条件が比較的緩く、在学中は利子のみの支払いが可能な場合もあります。一部の専門学校では、提携ローンに利子補填制度を導入し、利子の一部を学校側が負担するケースもあります。
学費の負担を抑える手段として、多くの学校で「特待生制度」が設けられています。これは入試成績上位者や成績優秀者に対して、授業料や入学金の一部〜全額が免除される制度です。
さらに、ひとり親家庭を支援する「母子・父子家庭支援制度」では、10万円程度の学費減免が受けられる場合があります。「AO入学優遇制度」では、面談での熱意や適性が評価され、5〜20万円の学費減額を受けられる学校も存在します。
専門学校で学費の負担を抑えるには、学校選びから工夫が必要です。自由時間を確保しやすい学校なら、アルバイトやクラウドソーシングで収入を得やすくなります。
奨学金や教育ローンに加え、利子補助や分納・延納制度の有無も事前に確認しておくと安心です。生活費を抑えたい場合は、家賃補助のある学生寮や提携アパートの利用もおすすめです。
また、夜間学科や週末コースを選べば働きながらの通学も可能です。さらに、通学不要で低コストなオンラインスクールも選択肢のひとつですが、就職サポートの有無には注意が必要です。
支援制度や住環境、学び方を総合的に検討し、自分に合った方法を選ぶことが、学費を自分で工面するためのポイントになります。
大好きなゲームにプロとしてどう関わっていきたいかによって、学ぶべきことも、環境も変わります。
ここでは、職種別におすすめの学校を紹介しています。

日本電子専門学校
年2回更新されるオリジナル教材で、現在のゲーム業界で使われている技術を学習。プロと同じ環境で開発を学び、未経験から即戦力のプログラマを目指せます。
授業では年間10作品以上のゲームを制作。1年次から手を動かして制作を経験し、スキル習得とともに就活時のポートフォリオも充実します。

HAL東京
スクウェア・エニックスの時田貴司氏など、企画のプロが直接指導するゼミを開講。
現場で活きるアイデアの引き出し方や企画書作成の能力が身につきます。
有名ゲーム会社と連携し、実際にゲーム制作をする実習あり。実在の企業との制作経験で、企画力を実践レベルまで鍛えます。

日本工学院専門学校
デッサンの授業で基礎画力をしっかりと養いつつ、CG技術だけでなく、ゲームエンジンの操作を学習し、ゲーム開発ツールとの連携を実践的に学べます。
ただのデザイン学習だけでなく、「CGクリエイター検定」資格の取得を支援。スキルを証明する民間資格で、就職にも有利です。